猫の手舎では1年365日毎日、
金子みすゞさんの詩を
鈴木澪のイラストとともに発表しています。
今日のみすゞさんの詩は「隣の子供」です。
ぜひ、みすゞさんの詩を読んでみて下さい。
鈴木澪と一部作曲家・大西進先生のコメントも読んでくださいね。
皆さまのコメントお待ちしています。
今日の猫の手舎物語はこちらから↓
クマがその姿を見せなくなってから随分と時が流れ、季節はいつか秋風が吹く頃になっていました。
突然、クマは我々のいる家に入ってきたのです。長い旅から帰ったように疲れ切って、部屋の隅にうずくまってしまいました。
多少のエサと水は口にしましたが、それ以上のことはなくクマは警戒する気持ちはなくなっていました。
もっと早く無理にでも保護して獣医に診せていれば、と後悔しましたが、時はすでに遅かったのです。クマは体力も気力も無くしていました。
ただ最後の死に場所として心安らげる我が家を選んだのでした。
クマが初めて人間に心を許す時が訪れました。
誰にも愛されず一人ぽっちで生きてきた野良猫クマでしたが、やっと自分の居場所を見つけることができたのでした。
それから二日間、クマはその状態を続けました。
初めて頭をなでることを許してくれました。そして、最後に「ニャーン」と鳴いたのです。
「今まで、エサもお水も、ベッドも使わせてくれてありがとう!部屋を汚してしまってごめんなさい」と言いました。
(多分そう言ったのだと思います。)
そして翌朝、クマは静かに天国へと旅立ったのです。
明日へ続く!また明日も見て下さい。
猫の手舎
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