今日もみすゞさんのページに

来ていただきありがとうございました。

猫の手舎では一年365日、

毎日みすゞさんの詩と鈴木澪のイラストを

紹介させていただいています。

 

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「店の出來事」です。

 

霰(あられ)がこんころり、

 

潛戸(くぐり)からはいつた。

 

お連れになつてはいつた。

 

  (こんばんは。)

 

  (はい、いらつしやい。)

 

歌時計がちんからり、

 

お客さんの手で鳴つた。

 

あられの音にまじつて、

 

一つとやを歌うた。

 

  (さやうなら。)

 

  (はい、ありがたう。)

 

歌時計がちんからり、

 

鳴り鳴り出てつた。

 

消えるまできいてて、

 

ふつと氣がつけば、

 

霰はとうに止んでゐた。

 

(店の出來事:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

お客さんは外の寒さを一緒に連れて

 

お店へ入ってきます。

 

あられが一緒とは……、歌時計?……、

 

楽しいお店の雰囲気が伝わってきます。

 

あられと歌とがコラボレーション。

 

鈴木 澪

 

 

下関はハイカラさんが多くいたのですね。

 

今ならケイタイチャクメロという

 

ところですかね。

 

私のいなか町では

 

柱時計以外ではきいてません。

 

大西 進 

  

※大西 進先生は、みすゞさんの詩のすべてに作曲された音楽家です。

私、鈴木 澪は先生にみすゞさんの歌を歌うコーラス部に参加し、大西先生に指導をうけました。

そして、先生の影響でみすゞさんの詩にイラストを描くことを始めました。

 

みすゞさんの詩画集も作っています。

金子みすゞ詩画集(鈴木澪イラスト)

 おのおの16点の詩とイラストを掲載しています。

 第1集「みんなちがってみんないい」

 第2集「見えぬものでもあるんだよ」

 第3集「みんなを好きに」

 

また明日もぜひ遊びに来てくださいね!

お待ちしています。猫の手舎