今日もみすゞさんのページに
来ていただきありがとうございました。
猫の手舎では一年365日、
毎日みすゞさんの詩と鈴木澪のイラストを
紹介させていただいています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「失なつたもの」です。
夏の渚でなくなつた、
おもちやの舟は、あの舟は、
おもちやの島へかへつたの。
月のひかりのふるなかを、
なんきん玉の渚まで。
いつか、ゆびきりしたけれど、
あれきり逢はぬ豊ちやんは、
そらのおくにへかへつたの。
蓮華のはなのふるなかを、
天童たちにまもられて。
そして、ゆふべの、トランプの、
おひげのこはい王さまは、
トランプのお國へかへつたの。
ちらちら雪のふるなかを、
おくにの兵士にまもられて。
失くなつたものはみんなみんな、
もとのお家へかへるのよ。
(失くなつたもの:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
みすゞさんの見つけた考えは
実に正しいと思います。
なくなったと思ったものは
本当はなくなったのではなく、
元の所へ帰っていったんですね。
安心しました。
鈴木 澪
先きの詩では本物の舟でした。
今の話はおもちゃ。
みすゞさんの頭の中が見える気がしますね。
現実からふと空想の世界へ
とびだすのがみすゞさんです。
見事な転換ですね。
人も宇宙からうまれ、
また宇宙へ帰るのでしょうか、
みすゞさんはそう言ってます。
大西 進
※大西 進先生は、みすゞさんの詩のすべてに作曲された音楽家です。
私、鈴木 澪は先生にみすゞさんの歌を歌うコーラス部に参加し、大西先生に指導をうけました。
そして、先生の影響でみすゞさんの詩にイラストを描くことを始めました。
みすゞさんの詩画集も作っています。
金子みすゞ詩画集(鈴木澪イラスト)
おのおの16点の詩とイラストを掲載しています。
また明日もぜひ遊びに来てくださいね!
お待ちしています。猫の手舎