誰も知らない野の果で
青い小鳥が死にました
さむいさむいくれ方に
そのなきがらを埋めよとて
お空は雪を撒きました
ふかくふかく音もなく
人は知らねど人里の
家もおともにたちました
しろいしろい被衣(かつぎ)着て
やがてほのぼのあくる朝
空はみごとに晴れました
あをくあをくうつくしく
小さなきれいなたましひの
神さまのお國へゆくみちを
ひろくひろくあけようと
(雪:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
この詩もみすゞさんのやさしい心があふれています。
小さな小鳥の為にこんな心づかいをもって
詩にするみすゞさんを私は尊敬します。
鈴木 澪
この悲しさよ、美しさよ。オペラの舞台ですね。
美術家が活躍しますね。
でもステージにそれを再現することは不可能でしょう。
読む人のイメージの飛躍がすべてです。
それにしても「誰も知らない野のはて」とは、
これ以上さみしいところは見つかりませんね。
大西 進
※大西 進先生は、みすゞさんの詩のすべてに作曲された音楽家です。
私、鈴木 澪は先生にみすゞさんの歌を歌うコーラス部に参加し、大西先生に指導をうけました。
そして、先生の影響でみすゞさんの詩にイラストを描くことを始めました。
みすゞさんの詩画集も作っています。
金子みすゞ詩画集(鈴木澪イラスト)
おのおの16点の詩とイラストを掲載しています。
第1集「みんなちがってみんないい」
第2集「見えぬものでもあるんだよ」
第3集「みんなを好きに」
また明日もぜひ遊びに来てくださいね!
お待ちしています。猫の手舎