今日もみすゞさんのページに
来ていただきありがとうございました。
猫の手舎では一年365日、
毎日みすゞさんの詩と鈴木澪のイラストを
紹介させていただいています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「大きな手籠」です。
手籠、手籠、
大きな手籠。
廣い野へ出て、この籠に、
いつぱい蓬(よもぎ)を摘まうとて、
どの子も、どの子も、町の子は。
けれど、どの子も知りやしない、
野にある蓬はみいんな、
町へと賣りに行くために、
田舎の人が摘んだのを。
節句は來ても、春淺い、
よもぎはほんの、芽ばかりで、
摘めばしほれてしまふのに、
摘めばしほれてしまふのに。
手籠、手籠、
大きな手籠。
どの子も、どの子も、樂しげに。
(大きな手籠:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
町の子は本当のことを知りません。
手かごにきっとよもぎをいっぱいつめる
と思って楽しそうにしています。
真実を知ったならきっと
がっかりすることでしょう。
鈴木 澪
リズムがあります。わくわくします。
でも町の子ならずとも木の芽、
草の芽つみはむつかしい。
タラの芽さがしにいったこと
思い出します。
村の人がのこしたものまで、
みーんなつんじゃった町の人のこと。
でもたのしい春の芽つみ。
大西 進
※大西 進先生は、みすゞさんの詩のすべてに作曲された音楽家です。
私、鈴木 澪は先生にみすゞさんの歌を歌うコーラス部に参加し、大西先生に指導をうけました。
そして、先生の影響でみすゞさんの詩にイラストを描くことを始めました。
みすゞさんの詩画集も作っています。
金子みすゞ詩画集(鈴木澪イラスト)
おのおの16点の詩とイラストを掲載しています。
また明日もぜひ遊びに来てくださいね!
お待ちしています。猫の手舎