このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「田舎の町と飛行機」です。

 飛行機お空にみえたので、

 

町ぢゆう表へ出て來たよ。

 

菓子屋の店にも誰もゐず、

 

床屋の鏡も空つぽで、

 

みんな揃つて口あけて、

 

春のお空をみてゐたよ。

 

群れて小鳥のとぶやうに、

 

ビラがお空を舞つてたよ。

 

うちの庭にはちらちらと、

 

櫻になつて散つてたよ。

 

飛行機お空をすぎたので、

 

町ぢゆうぽかんとしてゐたよ。

 

 

(田舎の町と飛行機:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

子供の頃、空から色とりどりの

 

小さな紙がヒラヒラと舞い落ちてくるのを、

 

空を見上げて目で追っていた経験があります。

 

今では見られない、

 

昔ならではのことでした。

 

鈴木 澪

 

 

昔の飛行機はもちろん、

 

み~んなプロペラの大きな音でとんでいた。

 

飛行船も、でもめったに飛んでこなかった。

 

飛行機だけでなく、汽車も通ると

 

みていたっけ。

 

大西 進