このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「廣告塔」です。

 

さやうなら、

 

さやうなら──

 

汽車のうしろの赤い燈は、

 

はるかの暗に消えました。

 

あきらめて、

 

くるり廻れば

 

はなやかな、

 

春のいい夜の街の空。

 

廣告塔の赤い燈は、

 

みるまに青くなりました。

 

 

(廣告塔:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

走り去る汽車にむかって

 

子供は手を振ります。

 

見知らぬ町に思いを馳せて、

 

その汽車の赤い灯が見えなくなって

 

現実にもどり、街の空を見上げると

 

色々なネオンサインが、

 

赤い色はすぐさま青くなったりします。

 

鈴木 澪

 

 

下関の街は、当時の大都会。

 

ネオンサインがあったのですね。

 

大西 進