このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「睫毛の虹」です。

 

ふいても、ふいても

 

湧いてくる、

 

涙のなかで

 

おもふこと。

 

──あたしはきつと、

 

もらい兒よ──

 

まつげのはしの

 

うつくしい、

 

虹を見い見い

 

おもふこと。

 

──けふのお八つはなにか知ら──

             

 

(睫毛の虹:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

              (JULA出版局)より               

 

 

何か寂しい事、悲しい事があって涙ぐむ時、

 

まつげに虹を見るなんて考えも

 

しませんでした。

 

みすヾさんはすぐ「もらい児」という言葉を

 

使うのは、母親の愛情に飢えていたのでしょうか?

 

それともわざと自分を可哀想な立場に置いて、

 

感傷にしたっていたのでしょうか?

 

センチメンタルな少女が時として考えそうなこと。

 

私も少女時代にそんなことがあったかもしれません。

 

みすヾさんの血液型が何かは知らないけれど、

 

知ってみたい気がします。

 

O型ではないと思うのですが……?

 

鈴木 澪

 

 

初演をきいた前の席の人が思わず

 

「美しい詩ね」ってつぶやきました。

 

さびしさ、かなしさの中でも

 

希望を見つけるみすゞさんの「まつげの虹」。

 

その方も、その日一日美しい虹を

 

追っていたことでしょう。

 

大西 進