このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「私と小鳥と鈴と」です。

 

 私が兩手をひろげても、

 

お空はちつとも飛べないが、

 

飛べる小鳥は私のやうに、

 

地面(ぢべた)を速くは走れない。

 

私がからだをゆすつても、

 

きれいな音は出ないけど、

 

あの鳴る鈴は私のやうに

 

たくさんな唄は知らないよ。

 

鈴と、小鳥と、それから私、

 

みんなちがつて、みんないい。

 

(私と小鳥と鈴と:金子みすゞ)

 

 

この詩はみすゞさんの思いを

 

すべて言っているのではないか

 

と思います。

 

世の中のみんながこのような

 

気持ちを持っていたら、

 

いじめなんかは決してない

 

明るい世の中に

 

なっているのに……。

 

 

鈴木 澪

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

みんな何かの役に立ち、

 

たがいにいのちを光らせて

 

この地球にあるのだから、

 

いらないものは何もないし、

 

みんないいところもって

 

いるし……。

 

いつもそう思っていても

 

きらいなものにも

 

出合うのが常、

 

みすゞさんは

 

きっぱりいいました。

 

「みんなちがってみんないい」

 

私も歌集のタイトルに。

 

大西 進