このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「空の鯉」です。

 

お池の鯉よ、なぜ跳ねる。

 

あの青空を泳いでる、

 

大きな鯉になりたいか。

 

大きな鯉は、今日ばかり、

 

明日はおろして、しまはれる。

 

明日はおろして、しまはれる。

 

はかない事をのぞむより、

 

跳ねて、あがつて、ふりかへれ。

 

おまへの池の水底に、

 

あれはお空のうろこ雲。

 

おまへも雲の上をゆく、

 

空の鯉だよ、知らないか。

 

 

(空の鯉:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

五月五日の鯉のぼりは池の鯉にとっても

 

興味ある存在なのでしょう。

 

確かに、大空を泳ぐ姿は実に雄々しく

 

気持ち良さそうに見えます。

 

鈴木 澪