このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「けがした指」です。
白い繃帯(ほうたい)
してゐたら、
見てもいたうて、
泣きました。
あねさまの帯借りて、
紅い鹿の子でむすんだら
指はかはいい
お人形。
爪にお顏を
描いてたら、
いつか、痛いの
わすれてた。
(けがした指:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
何か楽しいことをさがして
いるのがみすゞさん。
けがをしていてもそれを忘れません。
その時の様子が見てとれます。
「痛いの痛いの、飛んでゆけ~」
子供は気持ちひとつで痛さも忘れ
てしまうものなのですね。
鈴木 澪
けがした指の爪に、
どんな目を描いたのでしょう。
きっと優しい目
をしている三ケ月まゆげの顏でしょうか。
大西 進