このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「子供と潜水夫と月と」です。

   

子供は野原の花をつむ、

 

けれども、歸るみちみちで

 

はらりはらりと撒きちらす。

 

お家へかへれば、何もない。

 

もぐりは海の珊瑚採る、

 

けれど、あがれば舟におき、

 

からだ一つでまたもぐる。

 

じぶんのものは、何もない。

 

月はお空の星ひろふ、

 

けれど、十五夜すぎたなら、

 

またもお空へ撒きちらす。

 

晦日ごろには、何もない。

 

 

(子供と潛水夫と月と:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

モノであふれかえった現代社会。

 

このように「何もない」と言われると

 

何とスッキリとする事か!

 

いくら欲をかいても、またいつか元へもどります。

 

目先のことで欲張らず、無欲でいくのが一番!

 

鈴木 澪

 

 

新月の不思議。私も「あれ!今夜、

 

月がない!」なんて思います。

 

それと月がひろったなんて、すてきな世界です。

 

そして15夜すぎればまた満天星。

 

大西 進