このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「空のあちら」です。
空のあちらに何がある
入道雲もしらないし
お日さまさへ、知らぬこと
空のあちらにあるものは
山と、海とが話したり
人がからすに代(な)りかはる
不思議な、魔法の世界です。
(空のあちら:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
みすゞさんは、空をよく振仰いで
見ていた人なのだと思います。
空のあちらは不思議なものであふれている
と感じていたのでしょう。
入道雲もお日さまも知らないなら、
人間はどうして知ることができるでしょうか。
みすゞさんは、時空をはるかに超え、
想像豊かな発想を次々と考えることの
できる人に違いありません。
他の詩にもありますが、見えないものが
彼女には充分感じ取れるのです。
鈴木 澪
大好きな詩の一つです。
なんたって変身するのですよ。
でもね、空のあちら
は現実の世界でなく、遠い遠い
あちらの世界ですね。キット!
みんな人間のままでは
いられないのでしょうか……??
生まれ変っても、もう一度同じ自分になりたい!
のではないでしょうか。
みすゞさんは、この世でない世界のことを
思いつづけていたのです。
大西 進