木の葉のボートに乗つてゆく、
黒い小蟻は探検家。
青いボートではるばると、
海のあなたへ出かけます。
海のあなたのはなれ島、
砂糖のお山、蜜の川、
さうして怖い鳥もゐず
蟻の地獄もないとこを。
青いボートでただひとり、
これから尋ねに出かけます。
(木の葉のボート:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
ありを踏まないように歩いています。
みすゞさんもきっとそうだったに
違いありませんね。
ありを探検家にさせるという考え方は面白いです。
多才な発想をするみすゞさんならではの詩だと思います。
ありの観察をしていますと、あの小さな身体で、
あんなに大きな物を運んだり、
あるいは遠くまで行ったり来たりと
しているのを感心して見ていること
がありますね。あの小さな身体のどこに
そんなパワーがあるのでしょうか?
鈴木 澪