このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「お祭すぎ」です。

  

お祭すぎの

 

笛の音、

 

鉦や太鼓と

 

はなれては、

 

なんだかさみしい

 

笛の音、

 

紺の夜ぞらに

 

ひびきます。

 

紺の夜ぞらの

 

天の川、

 

このごろ白く

 

なりました。

 

 

(お祭すぎ:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より 

                   

 

お祭りが済むと、あのにぎわいはどこへやら、

 

笛の音がよりさみしさを増します。

 

そして、そのさみしさを一層感じさせる、

 

お祭りの灯りのなくなった紺の夜空に天の川。

 

それがよけいにはっきり見えたのでしょう。

 

鈴木 澪

 

 

題名は「お祭すぎ」で、笛の音が書かれていますが、

 

「笛と夜空」としたいほど夜空が書かれています。

 

紺の夜空では、私も沖縄の夜空を

 

本当に不思議な気持ちで見上げたことを

 

いつまでも忘れません。

 

夜の10時を過ぎているのに夜空が青いのです。

 

明るい昼間の青い空のよう、見のがしそうですが、

 

みすゞさんは見ていました。紺の夜空。

 

大西 進