このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「たもと」です。

  

 袂のゆかたは

 

うれしいな

 

よそ行き見たいな氣がするよ。

 

夕顏の

 

花の明るい背戸へ出て

 

そつと踊りの眞似をする。

 

とん、と、叩いて、手を入れて

 

誰か來たか、と、ちよいと見る。

 

藍の匂の新しい

 

ゆかたの袂は

 

うれしいな。

 

 

(たもと:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

女の子のちょっぴりおませで

 

おしゃれな心模様と振るまいが、

 

ひしひしと伝わってくる様です。

 

日本のきものは本当にいいものです。

 

鈴木 澪

 

 

たもとをわかつ。

 

たもとがふれ合い多少の縁。

 

たもとは何かを入れるとき。

 

たもとに手を入れるとき。

 

たもとを考えた人、すてきだな。

 

大西 進