このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「きのふの山車」です。
祭のあくる日ひるねごろ
みんながお晝寝あちこちに
さびしくかどに立つてたら
きのふの山車がゆきました
花も人形もこはされて
車ばかしがごろごろと
乾いた路をゆきました
ひとりさびしく見送れば
きのふの山車も曵く人も
埃のなかになりました
(きのふの山車:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
楽しかったお祭だっただけに、
次の日のまた日常に戻って、
人々が祭のあと始末をしているのが
物悲しく感じられます。
大人たちは仕事があるので、それほど感じないけど、
仕事を持たない子供にとっては
「祭のあとのさびしさ」を強く感じるものですね。
鈴木 澪