このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「草原の夜」です。

 

ひるまは牛がそこにゐて、

 

青草たべてゐたところ。

 

夜ふけて、

 

月のひかりがあるいてる。

 

月のひかりのさはるとき、

 

草はすつすとまた伸びる。

 

あしたも御馳走してやろと。

 

ひるま子供がそこにゐて、

 

お花をつんでゐたところ。

 

夜ふけて、

 

天使がひとりあるいてる。

 

天使の足のふむところ、

 

かはりの花がまたひらく、

 

あしたも子供に見せようと。

 

 

(草原の夜:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

みすゞさんは自分のことよりも

 

他のものへの思いやりを常に考えている

 

という心やさしい女性だったようです。

 

世界中の人々がこんな心根を持ったなら、

 

平和で美しい地球になるに違いありません。

 

鈴木 澪

 

 

夜のびる草木をうたった科学の心のみすゞさん、

 

本当に夜のうちにのびていて、

 

朝みてびっくりすることがあります。

 

月の光で花が咲く、そんな自然を

 

よくみています。

 

大西 進