このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「忙しい空」です。

 

今夜はお空がいそがしい、 

 

雲がどんどと駈けてゆく。

 

半かけお月さんとぶつかつて、

 

それでも知らずに駈けてゆく。

 

子雲がうろうろ、邪魔つけだ、

 

あとから大雲、おつかける。

 

半かけお月さんも雲のなか、

 

すりぬけ、すりぬけ、駈けてゆく。

 

今夜はお空がいそがしい、

 

ほんとに、ほんとに、忙しい。

 

 

(忙しい空:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

みすゞさんは空を見つめる事が多かった

 

女性だと感じる事が多くあります。

 

この詩は雲が風で動く様を

 

よく表わしていると思います。

 

雲がお月さんとぶつかるという表現は

 

おもしろいなと感じました

 

お空がいそがしいというのも、みすゞさんらしいです。

 

イラストを描く側にとって、みすゞさんの詩は

 

大変面白いですし、心が弾みます。

 

みすゞさんの詩について、

 

画家の上野紀子さんは

 

「みすゞさんの詩は絵にならない、

 

なぜならみずゞさんの詩は完璧だから…」

 

といった感想を述べていらっしゃいますが、

 

私はそうは思いません。

 

みすゞさんの詩はけして単純ではなく、

 

奥の深いものがあります。

 

それを探ろうとした時、

 

一つの詩をたった一枚の絵で

 

表現をしていいものか、

 

むしろそれは無理なのでは

 

とさえ思ってしまいます。

 

鈴木 澪

 

 

空をみあげ、たくさんかきました。

 

大きな詩集タイトルにも

 

「空のかあさま」があります。

 

今夜はどんな空かと私も夜空を見上げます。

 

海上、海岸、島は風が強く、

 

また方向がすぐ変わります。

 

台風でなくても雲のはやさは

 

都会と全くちがいスピードがあります。

 

今夜は空の運動会でしょうか、

 

雲がおっかけっこしています。

 

これはあそびうたの一つ「おにごっこ」のうたです。

 

大西 進