今日もみすゞさんのページに

来ていただきありがとうございました。

猫の手舎では一年365日、

毎日みすゞさんの詩と鈴木澪のイラストを

紹介させていただいています。

 

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「汽車の窓から」です。

 

 お山であかいは

 

あれはなに。

 

あれは櫨(はじ)の木、櫨紅葉、

 

なにか怖いな、黒い赤。

 

お里であかいは

 

あれはなに。

 

あれは熟れてる柿の實よ、

 

見てもうまそな、黄いな赤。

 

お空であかいは

 

あれはなに。

 

あれはお汽車の燈のかげよ、

 

さみしい赤よ、亡い赤よ。

 

(汽車の窓から:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

赤にもいろんな赤があるって事を

 

みすゞさんは気付いていて、

 

このような詩が生まれました。

 

最後の「亡い赤」が印象的に思われます。

 

心の中でしか見ることのできない

 

追憶の中の赤い色なのでしょう。

 

鈴木 澪

 

 

そんなに度々汽車の旅をしたことの

 

ないはずのみすゞさん、

 

あの時乗った汽車の窓からみた里山の草や木が、

 

なぜか心にのこっていて、

 

空を見上げたときにふとさみしさが

 

心にうつります。

 

見えないなにかがよぎります。

 

この日は赤い燈が一つ、さみしい赤でした。

 

大西 進

 

※大西 進先生は、みすゞさんの詩のすべてに作曲された音楽家です。

私、鈴木 澪は先生にみすゞさんの歌を歌うコーラス部に参加し、大西先生に指導をうけました。

そして、先生の影響でみすゞさんの詩にイラストを描くことを始めました。

 

みすゞさんの詩画集も作っています。

金子みすゞ詩画集(鈴木澪イラスト)

 おのおの16点の詩とイラストを掲載しています。

 第1集「みんなちがってみんないい」

 第2集「見えぬものでもあるんだよ」

 第3集「みんなを好きに」

 

また明日もぜひ遊びに来てくださいね!

お待ちしています。猫の手舎