お家のみえる角へ來て、
おもひ出したの、あのことを。
私はもつと、ながいこと、
すねてゐなけりやいけないの。
だつて、かあさんはいつたのよ、
「晩までさうしておいで」つて。
だのに、みんなが呼びにきて、
わすれて飛んで出ちやつたの。
なんだかきまりが悪いけど、
でもいいわ、
ほんとはきげんのいいはうが、
きつと、母さんは好きだから。
(あるとき:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
怒られてすねていても、
お友達が呼びに来ると何もかも忘れて
いっしょに遊びにいってしまうのが子どもです。
思い出してもあとのまつり。
鈴木 澪
昔、家の中の仕事はたくさんありました。
なんでも人の手でするからです。
今はチーン、ポーンと自動の世の中ですけれど。
子どももたくさん次々とあれしなさい、
これ手伝ってといわれます。
あそびたいさかりの子どもは
「なんで私ばっかりに用事を言うの」
とプンとふくれます。そこでおこられてしまいます。
「すねる」、子どもの生活に大きな位置をもつことば。
大西 進
※大西 進先生は、みすゞさんの詩のすべてに作曲された音楽家です。
私、鈴木 澪は先生にみすゞさんの歌を歌うコーラス部に参加し、大西先生に指導をうけました。
そして、先生の影響でみすゞさんの詩にイラストを描くことを始めました。
みすゞさんの詩画集も作っています。
金子みすゞ詩画集(鈴木澪イラスト)
おのおの16点の詩とイラストを掲載しています。
第1集「みんなちがってみんないい」
第2集「見えぬものでもあるんだよ」
第3集「みんなを好きに」
また明日もぜひ遊びに来てくださいね!
お待ちしています。猫の手舎