このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「楊とつばめ」です。

 

  

無事でゐたかと

 

川やなぎ、

 

若いつばめに

 

いひました。

 

ふたり啼いてた

 

その枝よ、

 

ひとりは旅で

 

死にました。

 

若いつばめは

 

もの言はず、

 

ついと水の面を

 

ゆきました。

 

 

(楊とつばめ:金子みすゞ) 

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

渡り鳥であるつばめの、

 

旅の途中の悲しい出来事を

 

川やなぎは知りました。

 

ひとりになった

 

若いつばめの心の内が

 

何とも寂しく思われます。

 

自然界の厳しさを

 

表しています。

 

鈴木 澪