このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「雲」です。
私は雲に
なりたいな。
ふわりふわりと
青空の
果から果を
みんなみて、
夜はお月さんと
鬼ごっこ。
それも飽きたら
雨になり
雷さんを
供につれ、
おうちの池へ
とびおりる。
(雲:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
みすヾさんの自由な心は果てしない。
雲になりたい、とはなんと
大きな発想だろう。
夜はお月さんと鬼ごっこなんて、
楽しいたのしい子供の夢だし、
最後のところなんて、
みすヾさんでないと思い付かない。
いつも夢見がちな乙女であったことを
感じられる詩です。
どんなに淋しい状況にあっても
ほとばしる想像力が彼女を
辛い思いから解放してくれたのでしょう。
才能の溢れた作品に会うと
こちらまで勇気をもらいます。
鈴木 澪
雲にのりたい、虹の橋をわたってみたい、
という童話や詩は多いが、
「雲にのりたい」は、ハッとさせられた。
空をゆらゆらと遊びたい気持が
わかることが大事なんだと思ったし、でも、
「飽きてしまうだろう」とも思うのだ……。
おしまいが、とてもいい。
大西 進