このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「忘れた唄」です。

 

 

野茨のはなの咲いてゐる、

 

この草山にけふも來て、

 

忘れた唄をおもひます。

 

夢より遠い、なつかしい、

 

ねんねの唄をおもひます。

 

ああ、あの唄をうたうたら、

 

この草山の扉があいて、

 

とほいあの日のかあさまを、

 

うつつに、ここに、みられましよ。

 

けふも、さみしく草にゐて、

 

けふも海みておもひます。

 

「船はしろがね、櫓は黄金」

 

ああ、そのあとの、そのさきの、

 

おもひ出せないねんね唄。

 

 

(忘れた唄:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

小さい頃に聞いた子守唄を忘れかけていて、

 

思い出そうとしています。

 

お母さんがうたってくれた子守唄は

 

誰しもが耳に残っていてなつかしいものです。

 

鈴木 澪

 

 

大好きな詩の一つ。

 

思いだせないうたのつづき、

 

でもこのメロディー(節)

 

だけは決して忘れない、

 

そんなすてきなメロディーってどんな節まわし?

 

これを考えるのにずい分苦労しました。

 

「ヒラケーゴマ」のうた、

 

機会があったらぜひきいてみて。

 

大西 進