このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「蛙」です。

 

 

憎まれつ子、

 

憎まれつ子、

 

いつでも、かつでも、誰からも。

 

雨が降らなきや、草たちが、

 

「なんだ、蛙め、なまけて。」と、

 

それをおいらが知る事か。

 

雨が降り出しや子供らが、

 

「あいつ、鳴くから降るんだ。」と、

 

みんなで石をぶつつける。

 

それがかなしさ、口をしさ、

 

今度は降れ、降れ、降れ、となく。

 

なけばからりと晴れあがり、

 

馬鹿にしたよな、虹が出る。

 

 

(蛙:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

蛙のせいでもないのに

 

雨が降ったり止んだり……。

 

蛙さんはかわいそう、

 

天候にふり回されて……。

 

鈴木 澪

 

 

かへるはかへろ「ふるさとへ」。

 

なにをやってもむなしいのか。

 

でも地球はまわり、時は流れて、

 

気持とうらはらに美しい虹をあおぎみて。

 

大西 進