このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「月日貝」です。

 

西のお空は

 

あかね色、

 

あかいお日さま

 

海のなか。

 

東のお空

 

眞珠いろ、

 

まるい、黄色い

 

お月さま。

 

日ぐれに落ちた

 

お日さまと、

 

夜あけに沈む

 

お月さま、

 

逢うたは深い

 

海の底。

 

ある日

 

漁夫にひろはれた、

 

赤とうす黄の

 

月日貝。

            

            

(月日貝:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

                    

 

あかいお日さまと黄色いお月さまは

 

海の中でひとつになって、

 

月日貝になったという美しいお話を作ったのは

 

みすゞさんの自然賛美の心なのでしょう。

 

ロマンチストのみすゞさんならではの夢物語です。

 

私にとって、いままでで一番美しいと思った海の景色は、

 

北海道の積丹(しゃこたん)で見たもので、

 

30年以上も経った今でもはっきり覚えています。

 

その頃、心が荒んでいたので、

 

なおのことそう感じられたのかも知れません。

 

人は悲しいこと、辛いことがあった時などに

 

美しい景色に遭遇したりするものですね。

 

鈴木 澪

 

 

一枚はチョコレート色、一枚はうっすら黄色、本当に不思議。

 

これを見てこんなお話しを思いつくなんて

 

スゴイと作曲したことを思い出します。

 

貝には木の年輪のような細かい筋があります。

 

LPレコードのような美しいラインです。

             

大西 進