私は島が欲しいのよ
波のまにまにゆれ動く
それは小さな浮き島よ。
島はいつでも花ざかり
小さなお家も花の屋根。
みどりの海に影さして
ゆらゆらゆれて流れるの。
海のけしきも見飽きたら
海へざんぶり飛びこんで
私の島をくぐっては
かくれんぼして遊ばれる。
そんな小島が欲しいの。
(浮き島:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
みすゞさんが欲しがるものは子供心にあふれた遠大なもの。
この詩も絵にしたら、とても楽しい風景だ。
花々にあふれた島はそれだけで夢いっぱい。
みすゞさんの心の内がそのままだ。
波に揺れ動く浮き島が欲しいだなんて、
みすゞさんの夢は本当に大きくてびっくり。
でも、夢はいくらでも大きくていいのです。
こんな島が自分のものだったら
本当に楽しいことでしょうね。
子供心も大人心までもが揺さぶられます。
ロマンチストなみすゞさんらしい詩ですね。
お金がなくても、貧乏でも想像力が豊かであれば、
いくらでもその気になれるのです。
日頃から感性を磨き想像力も鍛えておきたいものです。
鈴木 澪